扇子はうちわと同じく手に持って風を起こすことで涼をとる道具ですが、それ以外にも落語や舞踊など様々な場面で小道具として使われます。開いて閉じてというギミック、そしてその開閉音によって、一瞬で異なる世界をみせてくれる不思議な道具です。

伊場仙は、天正18(1590年)年に創業した、扇子とうちわの老舗です。歌川豊国、歌川国芳、歌川広重など名だたる絵師の版元になり、浮世絵を団扇に刷り込むことを考案し、江戸市中に浮世絵団扇を広めました。今回はその伊場仙が企画した、伝統と未来が融合したデザインの扇子をご紹介したいと思います。

 

ドラえもん 広重画 東海道五十三次「日本橋」 4,320円

ドラえもん 広重画 東海道五十三次「日本橋」 4,320円

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歌川派の流れをくんだ名匠・広重が描いた浮世絵、東海道五十三次。その絵柄のなかでも特に有名な1枚といってもよいであろう「日本橋」の図柄です。東海道の起点である日本橋は、大名行列から商人まで様々な人が行きかう賑やかな場所。その朝の風景に、22世紀からやってきた未来のロボット、ドラえもんがさりげなくとけこんでいます。

 

ドラえもん 広重画 東海道五十三次「庄野」 4,320円

ドラえもん 広重画 東海道五十三次「庄野」 4,320円

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もう1面は同じく広重の東海道五十三次から「庄野」の場面です。庄野宿は現在の三重県鈴鹿市にありますが、突然の夕立にみまわれた旅人達が雨宿りの場所を探して走り出しているところを描いており、やはり東海道五十三次の名作、名シーンのひとつといえます。あらなんと、ドラえもんとのび太くんもあわてて走っているではありませんか。

扇子を扇子たらしめているのは、その骨を束ねて固定している「要(かなめ)」と呼ばれる部分。ここが壊れると扇はバラバラになってしまいますので、まさに肝心かなめの要です。要で閉じられ、均等に広がる骨を和紙がつなぎ、先端が孤を描いて広がるその形は、扇形とよばれますが、末広がりに通じる形であることから、昔から縁起のよいものとされてきました。普段使いや、お土産などに、おひとつ手とってみられてはいかがでしょうか。