あれは忘れもしない、私が結婚して最初の年のことでした。
年末の帰省の折り、義理の母が私を捕まえて尋ねました。
「あなた、お海苔好き?」
大好きです、と答えました。そのとき義母からいただいたのが山本海苔店の「梅の花」でした。


「梅の花」1号缶2本詰合せ	 5,400 円

「梅の花」1号缶2本詰合せ 5,400 円
各全型10枚分 16袋入 1袋8切5枚
サイズ(cm) :23.0×18.1×8.2 (縦×横×厚)

詳細をお店で見る

恐ろしいことに、若い私は、この素敵な海苔のお値段などこれっぽっちも知らずに(!)あっさり頂戴してウキウキと家路についた次第でした。確かに海苔が好きではありましたが、ただ好きというだけで、こだわりがあるわけでもなく、普段はスーパーで普通に売られている安い海苔を食べていたのです。

さて、家に戻って、早速この海苔をいただいてみよう、と包装を解き、焼き海苔のほうの缶の蓋を開けました。この時点で、缶や密閉のしっかり度合いが、既に何やら高級感を漂わせています。かぱり、と密閉を解くと、突然、海苔が存在感を示し始めました。何かいつもの海苔とは違うぞ。

ところで私はお餅が大好きで、お正月でなくともお餅を絶やさないという悪癖があるのですが、時は折しも年末年始、当然のように新鮮なお餅が我が家の冷蔵庫で待ち構えています。ひとつ取り出し、ジリジリ、ぷうと焼いて、さあ海苔を巻いて食べましょう。

「うわ、パリパリだ」

とにかく衝撃でした。良い海苔というのは、こういうものなのか。丁寧に焼かれた海苔は、炙りなおさずともパリパリで、ぷんぷんと磯の香りがします。また、しっかりと目が詰まっており、一枚一枚、美しいまでにツヤがあります。待て待て、これは海苔だけでしっかり味わうべきではないだろうか。ああ、味付け海苔のほうも食べたいけど、きっと蓋を開けたらこの香りの衝撃はじきに無くなってしまう、こっちを食べきってしまうまで我慢すべきか、そんな葛藤をひきおこすほどの海苔でした。そしてこんな高級な海苔をくださるとは、義母は何と良い人なのでしょう。世間のお姑さんには怖い人もたくさんいるそうですが、私は素敵な義母に巡り合えてよかった。

この海苔の「梅の花」という商品名は、江戸で梅の香りがただよう寒い季節に採られていたことに由来するとか。寒さのなかで美味しく育った極上の一品、お試しの価値はあると思います。是非一度、お手に取ってみてください。